デュエルリンクス歴史概観2

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 それでは続けていきます。(前の記事でも似たようなことを書きましたが、)検索による知識と朧げな記憶が絡まって間違ったことを言ってる可能性があります。後で気付ければ修正できるのですが・・・。

 また、段々「現代遊戯王では活躍できなかったものの、この特異なデュエルリンクス環境でのみ活躍できるカード」が増えてきます。分からないカードはwikiや公式サイトなどで調べていただけるとよいかなと思います。

(余談:カード名をいちいち正式名称で書くのは時に冗長なのですが、宗教上の理由から省略せず書くことにします)

 さて、前回は第四弾ミニBOXまで紹介しました。次は第五弾メインBOX、と言いたいところですがそこまでにいくつかあったイベントを紹介します。

 まず2017年5月15日、"本気"の城之内出現イベントがありました。ここでレッドアイズ・スピリッツが新しく実装され、このデュエルリンクスに長く影響を与えることになります。しかし、この段階では真紅眼の黒竜、及びレッドアイズを墓地に落とす手段が少なかったことから実践レベルでは無かったような気がしています。また本気城之内の周回難易度が高くレッドアイズ・スピリッツを3枚集めるのが大変だったという背景もあります。しかしこの辺りで、上級を出す難易度が下がっていくことを予感していく人もいたのではないでしょうか。

 次に5月24日、二つの出来事があります。まず、これは予告自体は以前からあったのですが、いくつかスキルの修正がありました。長らく環境を支配していた「スリカエ」が、1ターンに1回、ライフが1000減るごとにしか使えなくなる制限を設けられました(これまではライフに関係なく、1ターンに1回という制限はあるものの2回好きな時に使うことができていた)。これにより、早めにコンボパーツを揃えることが優位点だった「スリカエサンドラ」ギミックは息を潜めることになります。と言っても実用不可能レベルに落とされる訳じゃないのがリンクスの修正の良いところで、修正直後しばらくはこのギミックを使っている人もいたように記憶しています。他にスキルの上方修正もあったのですが、この段階ではあまり影響を感じなかったかと思います。

 そして同日、迷宮兄弟イベントが始まります。いくつか新カードが実装される他、プレイヤーキャラとして迷宮兄弟を使用することができるようになりました。使い方によっては相手を大きく翻弄することができるディメンション・ゲートの実装などもあったのですが、もっと大きい出来事はこの迷宮兄弟の実装で、ある意味ではリンクス界最強と言ってもいいスキル「三星降格」が使用可能になったことです。このスキルはライフを2000払うことで手札のモンスター全てのレベルを3下げるもので、これまでとは比較にならないほど上級モンスターの擁立が簡単になりました。

 また、6月1日から世界大会予選、9日から最終予選があり、トッププレイヤーはそれまでにこの「三星降格」のドロップ(このスキルはランダムドロップにより入手可能になるものだった)に力を注ぐ必要があったと記憶しています。【狩場スタン】【狩場サクリ】も環境に多くいましたが、新しく【三星ブラマジ】が環境に台頭してきました。以下は世界大会予選のサンプルレシピです。

 先行ブラック・マジシャン+王者の看破のコンボはかなり強力で、簡易的とはいえ初めて「先行制圧」の概念が持ち出されたのかなと思います。

・第五弾メインBOX

 第四弾ミニBOXからこのBOX実装までに多くのイベントがありましたが、6月13日、第五弾メインBOXが実装されました。また、一週間後にキャラLV引き上げがあり、いくつか実用的なカードが実装されました。

主な実装カード

紅蓮魔闘士 牛頭鬼 強化人類サイコ 真紅眼の飛竜 超魔導剣士-ブラック・パラディン 真紅眼の不死竜 神聖魔導王 エンディミオン

フィッシャーチャージ ゴブリンゾンビ トゥーン・キングダム 鰤っ子姫

 やはり、【レッドアイズ】の強化が主だったかと思います。牛頭鬼により真紅眼の不死竜を墓地に落とし、レッドアイズ・スピリッツで蘇生する一連の流れはこの後数か月に渡って愛用されるようになります。・・・と言っても、この時期は後述のデッキや【狩場サクリ】が強力だったことから活躍はもう少し後になります。

 またキャラLV引き上げによる新実装カードにも強力なものがあり、特にトゥーンに強固な耐性を与えるトゥーン・キングダムをデッキの主軸に添えた【トゥーン】系列の台頭が見られました。この時期はまだトゥーン・キングダムの破壊手段が少なく、耐性付与によって"破壊されず対象にも取られない"トゥーンの猛攻を抑えられるデッキは限られていて、理不尽とも言えるギミックからこのデッキを嫌う人は多くいた記憶があります。強力なギミックが存在し、構築段階からそれの対策を考えなければいけない、というのは"遊戯王らしい"といえばそうなのですが、やはり理不尽という印象は拭えなかったかなと。

 そして6月30日、大きな出来事があります。初のリミットレギュレーション適用と再度のスキル修正です。長らく【スタンバイバーン】の主軸だった革命がLIMIT1となり、世界大会で猛威を振るったスキル「ハーピィの狩場」「フライング寄生」「三星降格」は大きく弱体化がされました。特にこれまでと比べて初期手札が1枚減る「ハーピィの狩場」スキルの弱体化は相当なもので、このデッキの使用者は大きく数を減らすことになります。しかし「フライング寄生」「三星降格」は元々が強すぎたこともあり、弱体化後もまだまだ活躍をしていました。

 そこから、7月4日に初心者向けのストラクチャーデッキの実装や死皇帝の陵墓、陽炎獣 スピンクスの実装など細かい変化はあったのですが、次のBOXの実装に続きます。

・第五弾ミニBOX

 個人的にはかなり好きなパックです。7月11日に実装されてしばらく、後述する背景もあるのですが、リセマラに最適なパックとして有名だったかと思います。また、近日に"本気"の城之内イベントの復刻・パンドラ登場イベントがあり、レッドアイズ・スピリッツをサーチすることができるレッドアイズ・インサイト、伏せカード封殺の封魔の矢の実装がありました。26日にはマリクのイベントもあり、溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムも実装されました。

主な実装カード

ネフティスの鳳凰神 死者への手向け 業火の重騎士 猪突猛進 ナチュル系列 炎王の孤島 炎王獣 ヤクシャ 魂のカード

レッドアイズ・インサイト 封魔の矢 溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム

 ネフティスの鳳凰神と聞いて心を躍らせる人は少なくないのではないでしょうか。実際私や周囲も、このネフティスの鳳凰神の実装には衝撃を受けた記憶があります。相性が良い炎王の孤島、炎王獣 ヤクシャ、魂のカード(ライフが4000の為初期ライフでは即座にサーチが可能だった)の実装もあり、【炎王ネフティス】は環境に名を連ねることになります。

 また、意外かもしれませんが無課金勢やスタート組に特に人気だったのが【ナチュル】です。必須カードにSR以上が無く、このパックとエネミーコントローラー数枚(入手手段の増加などによりエネミーコントローラーの入手も容易になっていました)さえあればデュエルキングになれるようなデッキを組むことができました。ギミックとしては"ナチュルの切り込み隊長"のナチュル・パンプキンから、罠に耐性を持つ上級であるナチュル・スタッグを特殊召喚し、効果の発動に連動して上級ナチュル・ハイドランジーを展開。上級の数に応じてモンスターを全体強化するスキル「粉砕」により2ターン目~3ターン目から一気に攻撃をするというものです。以後、このスキル「粉砕」は今に渡って使われることになります。

 背景として、この時期世界大会の観戦応募権利を得るためにデュエルリンクスを始める方が多くいました。きっかけとしてはその観戦入場特典の3枚が欲しいがためだった、という方がほとんどだったのでしょうが、せっかくならゲームの方も少しやってみようという方が多かったのでは無かったかなと。狙ったかのように「パック一つで組めるデッキ」が2つ(【炎王ネフティス】【ナチュル】)もあります。

 また、"本気"の城之内イベント復刻により、ようやく【アンデアイズ】が実用的になりました。牛頭鬼やレッドアイズ・インサイトで真紅眼の不死竜を墓地に落とし蘇生、スキル「粉砕」で攻撃力を上げるといったものです。真紅眼の不死竜がアンデットに対するゴヨウ・ガーディアンのような効果を持っていたことから、【アンデアイズ】ミラーはどう真紅眼の不死竜を奪うか・奪わせないかの戦いでした。またこのモンスターもネフティスの鳳凰神と同じく攻撃力が2400なことから、"2400ライン"の誕生とも言えたのではないかなと思います。

 【アンデアイズ】の他にも、真紅眼の黒竜を早い段階で特殊召喚して、王者の看破で制圧するデッキである【看破アイズ】(スキルに「バランス」が採用されていたことから【バランスアイズ】とも)も顔を見せました。

 スキルの修正・強力カード多数実装により、数週間前とは環境がガラリと変わっています。Tier1だったかと言われると微妙ですが、個人的に好きなデッキなので【サイキック】も紹介しておきます。ライフが減ることで使用可能になるスキルが多い中、自分のライフを能動的に減らすことができる【サイキック】はこのゲームにおいて面白い動きができて、ここでは相手の墓地のモンスターを全てワイトに変えるスキル「現世復帰の制約」が採用されています。墓地を利用する【炎王ネフティス】や【アンデアイズ】へ強烈なカウンターとなり、またエレキック・ファイターによってドローロックも可能と、スキルが大きく活かされています。

 強力除去カード多数実装から、対象に取れない【トゥーン】、魔法罠に強い【炎王ネフティス】の流行により、【サクリファイス】もひっそりと息を引き取ったような記憶があります。

・第六弾メインBOX

 7月31日に実装がありました。面白いカードが多かったのですが、【トゥーン】【炎王ネフティス】【アンデアイズ】【スタンダード】【ナチュル】環境にはあまり変化が無かったかと思います。8月中旬に行われた世界大会もこの辺りのデッキが多くを占めていました。

主な実装カード

賢者ケイローン 黄泉ガエル 幻獣機ハムストラット 魔帝アングマール 忍法 変化の術 黒竜の忍者 氷結界系列

 黒竜の忍者、忍法 変化の術は数か月後猛威を振るうのですが、一旦ここでは置いておきます。記憶が定かでないのですが、この頃はあまり【忍者】はいなかったのではないかと記憶しています。

 氷結界と聞いて、シンクロ体しかそもそも知らないという人も多いかと思いますが、ここデュエルリンクスでは全く違う動きを見せます。条件付きとはいえ除去と展開を同時に行える氷結界の三方陣を主軸に据えた【氷結界】が環境に顔を見せました。組むのが容易だった、テンポが良かったというのも人気の理由だったかと思います。

・第六弾ミニBOX

 8月31日に実装がありました。先のBOXに続いて、面白いカードが多いものの環境レベルでは無かったかと思います。近辺のイベントとしては武藤遊戯のプレイアブル化、カードトレーダーの定期更新などでしょうか。また、入手困難だったレッドアイズ・インサイトがランク戦の報酬で手に入るようになったことから、【アンデアイズ】【看破アイズ】の使用のハードルが大幅に下がりました。

主なカード実装

サイレント・マジシャン LV8 非常食 ゴブリンのやりくり上手 リミット・リバース

電磁石の戦士β 薔薇恋人 トゥーン・リボルバー・ドラゴン

 サイレント・マジシャン LV8のエース性能は目を見張るものがありましたが、事故率や、まだイタクァの暴風やアヌビスの呪いが罠として幅を利かせていたこともあり、ファンデッキレベルだったのかなと。その他の実装カードの中で、植物版ヘルウェイ・パトロールである薔薇恋人は、実は後にLIMIT2にかけられるほど活躍するのですがここでは活躍を見せませんでした。

 また個人的に好きなデッキとして【磁石の戦士】を紹介しておきます。以前からポテンシャルはあったのですが、サーチモンスターの電磁石の戦士βが出たことによって安定性が増しました。

 他にもトゥーン・リボルバー・ドラゴンの実装により、三星降格とトゥーン・キングダムの組み合わせから"破壊効果持ち強力耐性モンスター"を立てるデッキを組むことが可能になりました。

・第七弾メインBOX

 9月22日に実装されました。実用的なカードが多く入ったパックは久しぶりとなります。

主な実装カード

ホルスの黒炎竜 LV8 沼地の魔神王 邪龍アナンタ 底なし落とし穴 融合再生機構 堕ち武者

 実用的なカードが多い、と書きましたが、環境を大きく変えるまでのカードはやはり出ませんでした。強力な罠カードである底なし落とし穴が登場しましたが、システムモンスターが少ない現時点ではあまり評価が高くなかった記憶があります。【アンデアイズ】が堕ち武者の登場によりさらに安定感を増したなどの変化が見られたでしょうか。

 ちなみに、この頃になると、当時資産が無かった方も他のデッキを組めるようになり【ナチュル】の使用者はかなり減っていたかなと思います。

 この4か月、変化の2ヵ月と停滞の2か月に分かれるのではないでしょうか。スキル修正により【ハーピィ】の衰退、【トゥーン】【アンデアイズ】【炎王ネフティス】の台頭。後半2か月はあまり環境が変わりませんでした。しかし個人的には2400ラインで殴り合うこの環境はあまり嫌いではなかったかなと思います。トゥーンの理不尽さには少し嫌気が差していましたが・・・。

 さて、いよいよGXワールドの実装、そして"最強デッキ"と名高い【機械天使】の実装です。"黒歴史"などと評している人もたまに見ますが、私はとても好きなデッキでした(あまり勝てませんでしたが・・・)。

 おそらく一週間以内には次の記事を書くかなと思います。(1か月経っちゃいました汗、暇なとき書こうと思います)