デッキ作るときのはなし(その2)

前回→https://wataameannin411.goat.me/cvs91nzBgk

 こんにちは。自分が丹念込めた【サンダー・ドラゴン】の記事より、とりっぴんえぬさんの2秒で書いたようなブログが伸びていて萎えています(半分冗談です)。

 では続き。"パワーが高い"デッキがどういうものかの自分なりの解釈を挙げ、前回は1.を説明しました。

1.先行の中振れ程度で大体勝て、下振れの質が低くない

2.後攻で、相手の中振れまでを返すことがある程度期待できる

(3.ドローカードを多く積める)

(4.1枚で負けづらい)

(5.1枚もしくは2枚で動くことができる)

それでは2.から説明を続けていきます。

(前回は5.を「1枚で動くことができる」としましたが、少々訂正します)

・・・本題の前に、前回の余談でも話したのですが、1.と2.の両立がどの環境でも見込めるかというと、例えば【SPYRAL】環境でそれらを満たすデッキを作れるかと言うと微妙だと思っています。自分はそういう環境を"悪環境"だと思っていて、そういった環境は一度考察の対象から外すことにします。現環境も展開系がトップシェアになるようだったら"悪環境"と呼ぶことになるかもしれません(今も"ギリギリ悪環境でない"ぐらいだと思ってますが)。

 また、この先「返す」をよく使いますが、「できた場をひっくり返す」だけでなく「手札誘発によって場を作らせず、その後こちらの展開を通す」の意味もあるとします。

2.後攻で、相手の中振れまでを返すことがある程度期待できる

 1.までなら、インフレが進んだ今は大体のデッキが実現できると思います。しかし、やはり"後手捲り性能"は欠かせません。

 ここで、「中振れまで」と「ある程度」というところに、2つの妥協があります。当然、理想は「全てのデッキの上振れを返せること」ですが、それはインフレが進んだ今は無理に等しいでしょう(2011年ぐらいにはもう無理だった気もしますが)。

 1つ目の妥協として、「中振れまで」としているところです。「全てのデッキの上振れを返す」のはほぼ無理、と言いましたが、そもそも環境デッキの上振れを返すこと自体かなり困難です。余程相性が良いか、もしくはこちらの手札がかなり良くてようやく、といったところでしょうか。

 2つ目の妥協に、「ある程度」としているところがあります。繰り返しになりますが現環境はかなりインフレが進んでいて、中振れの展開ですらかなりの強度になることも多いです。ここの「ある程度」には、「いくつかのデッキを軽視してもいい」というニュアンスを込めています。細かく例を挙げて考えてもいいのですが、簡単に「【閃刀姫】【オルターガイスト】を見つつ【剛鬼】(などの展開系)を見るのがかなり困難なこと」に異を唱える人はそういないのではないでしょうか。・・・「両方見る」だけならもしかしたらできるかもしれませんが、ここに1.の条件を足すと、そうそう実現できるものではありません。先行の勝率を維持しつつ後攻でもある程度勝つためには、どこかを"切る"ことが必要な場合もあるだろうと思います。

 ちょっと小話。色々可能性を探るのが好きなので、環境に届かないギリギリのテーマのデッキも組むことがあります。例えば【サイバース】(【コード・トーカー】)を一時期回していたのですが、先行エクストラリンクはそう悪くない割合で実現でき、さて後攻という段階に。しかし、【サイバース】のメインギミックで相手の妨害を踏みながら強い場を作るのはほとんど無理でした。この「妨害」というのも、相手のアンカー1枚もしくはプロトコル1枚だけですらかなりキツい、といった具合でした(ちなみに先行のエクストラリンクも、誘発ケアする余裕も無く、できた場も突破可能性が低くない、と「中振れで"大抵"勝てる」域には到底達していませんでした)。これでは(少なくとも現環境では)使うに値しないなとの判断になりました。

 具体的な話、自分は今メインから展開系を見る余裕があるデッキはほとんどないなと思っています。半端な誘発の枚数じゃ貫通される上、ハンデスを考えるとそれ以外の対策も取りづらい。大量に誘発を入れてしまうと、【閃刀姫】【オルターガイスト】、もしくはその他のデッキに弱くなってしまう、とのジレンマがあります。「自然な形で誘発の枚数を増やせる」のは、無限泡影がメインギミックと噛み合っている(長所を伸ばしている)【オルターガイスト】ぐらいかな・・・と思っていますが、自分が組むとしてプラスで誘発をどこまで入れられるかはなんとも言えないですね。

 ここからは「できれば欲しい条件」です。1.と2.を満たすデッキが複数ある時は、以下の3つの条件で比較していくこともあります。

3.ドローカードを多く積める

 ここには、サイドチェンジ後もスムーズにデッキが回転していてほしい、という意味が込められています。「メインの段階である程度後攻を返せる」ことが必要、と言いましたが、やはり「適切なサイドカードを引くと返しやすい」ことは細かく説明しなくても飲み込みやすい命題かなと思います。適切なサイドカードを引きやすいようなデッキ選択・構築であることは大きな利点です。

 逆に、「サイドカードを上手く引けなかった」言い訳がいつでも通じるかと言うと微妙で、そういうデッキ選択・構築をしているのが悪い"こともある"と思っています。

(現実問題【ガンドラワンキル】相手に後攻を取ってしまった場合はドローカードの有無はほとんど関係ありませんし、【剛鬼】相手も似たようなものでしょう。【閃刀姫】【オルターガイスト】相手にそのような言い訳をしているのなら、デッキ選択から見直す必要もあるのでは、という話です)

4.1枚で負けづらい

 これは正確には「1枚で負けるカードの採用可能性が大きい」ぐらいの意味でしょうか。ここまで豊富なカードプールの中には、自分のデッキに有効なカードの1種や2種ぐらいあるでしょうが、そのカードの採用可能性が高く、それ1枚で負けるとなっては話になりません。「多少プレイを歪めればそのカードをケアできる」ぐらいなら良いですが、「構築段階で歪めないと直撃する」のならばこれもデッキ選択から考え直す必要があるかと思います。

 環境デッキをいくつか挙げると、【閃刀姫】だとハーピィの羽根帚、【オルターガイスト】ならレッド・リブート、展開系では増殖するGがそれにあたるでしょうか。とはいえそれぞれどのデッキも直撃を防ぐカードがメインに自然に入る(イーグルブースター、神の宣告、墓穴の指名者)為「1枚で負けづらく」、環境デッキたる所以かなと思います。【サンダー・ドラゴン】もこの点を満たしていて好きだったのですが、最近は超融合の採用が少し増えてきて、またケアがほとんど不可なので少し考え直す必要もあるかな・・・と思っています。

5.1枚もしくは2枚で動くことができる

 前回は「1枚で動くことができる」としていましたが、少々訂正します。

「少ない枚数で動ける」なら「長所を伸ばす」「「補強」をする」「サイドカードを添える」余裕があることもあり、"元のギミック(テーマ)が強ければ"評価が上がります。「1枚で動ける」テーマは最近だと【十二獣】【閃刀姫】と、【剛鬼】も該当するでしょうか(他にもあるかもしれませんが)。例えばトリックスターは1枚で動くことができますが、そのキャンディナ→マンジュシカギミック自体が大して強くないため【トリックスター】(=純トリックスター)はそう強くないと思っています。妨害罠などをプラスでメインギミックとしないと環境レベルでは無いなと。

「2枚で動ける」(「2枚ないと動けない」)ならば当然メインギミックは1.と2.を満たすそれ相応の強さが必要かなと思います。例えば【帝】【真竜】は動くのに2枚必要ですが、肝心のメインギミックの性能が高くないため今のところデッキ選択候補には上がりません。

 3つ、「できれば欲しい」条件を挙げました。「できれば欲しい」ですが、「どれも無い」と大きく評価を落とします。【閃刀姫】【オルターガイスト】【剛鬼】(などの展開系)と、贔屓目で見れば【サンダー・ドラゴン】は1.と2.をまず満たしていると思っていて、最近増えてきたのだと【魔術師】もなかなか・・・なのですが動くのに3枚以上要する点が少々難点です。展開が成功すれば強靭な場を作ることができますが、今の展開デッキの上振れは「誘発貫通」ができていてほしいなと思いますし、3枚で動く以上増殖するGの対策が取りづらい(=1枚で負けやすい)のが若干評価を落とします。【セフィラ】は2枚で最低限動くことができるので少し興味がありますが、先行の中振れはどんなもんかな、との懸念があります。回してみて考えたいところですね。

 以上で説明は終わりです。抽象的すぎる議論は飲み込みづらい為、時折具体的な例を挙げましたが、具体例は自分の所感であることも多いので、その部分で説得力が落ちていないか心配です。

 サイドカード採用についての雑感もいつか書きたいなと思っているのですが、現在まとめられるような内容が脳内で固まっておらず、書くのが義務になると大儀になる性格なのであくまで「予定」で。

 読んでいただきありがとうございました。