CSサブイベント雑感

1.はじめに

 CSなどの大型非公認にはもはや「サブイベント」は付き物となっています。ここで、(自分へのメモという意味もあるのですが、)サブイベントとしてどんなものが考えられるかを羅列し、紹介と雑感を添えていきたいと思います。何かの参考にでもしていただけると幸いです。

2.一覧と雑感

 早速羅列していきたいと思います。比較しやすいように「ルールの明確さ」「運営の手間の少なさ」「目新しさ」を3段階評価します。☆が多いほど優れているものとします。

(追記:以下のイベントはどれも予選終了から、決勝トーナメントの間に開催されるものとします。)

(追記2:ここではカードについてはプロキシを使わないこととします。盗難などのリスクからプロキシを使うことに一定の合理性はありますし、全否定はしません。が、カードを借りてイベントを開いていることによる公式への敬意として、個人的には全て実物を用意したいと思っています。)

a.サブトーナメント(他の形式も含む)

明確さ☆☆☆

手間☆☆☆

目新しさ☆

 予選落ちしてしまった人たちを集めトーナメント(スイスドローなどでも成立しますが、「泣きの一回」としての意味が強いのか、この形式が一般的かと思います)を行うイベントです。当然ルールを周知させる必要はなく、大会では使えなかったようなデッキも持ち込むことができたり、大会ほど気を張らずに取り組めたりといったことが利点です。サブトーナメントの運営には1人か多くても2人回せば大体事足りることが多く、特別な用意も要らないので運営も比較的楽に行えるでしょう。

 欠点としてはやはり目新しさでしょうか。これまで多く調整してきて、大会でも数戦、特に真剣に取り組んだ直後にサブトーナメントでまた対戦するというのは、あるいは退屈な人もいるかもしれません。

アレンジ案としては「予選と同じデッキ禁止」「予選デッキ分布上位のデッキ禁止」などでしょうか。退屈さは無くなり、予選で見れなかった面白いデッキとも対戦できることは目新しさに繋がります。ですが2デッキ所持している人はそう多くないと思うので開催自体が危ぶまれる可能性があるのは拭いきれないですね・・・。

b.ゲートボール(過去環境追体験)

明確さ☆☆☆

手間☆~☆☆

目新しさ☆☆~☆☆☆

 個人的に推しているサブイベントです。まずルールがほとんど明確で(古いものだと召喚時起動効果の優先権などに馴染みのない方もいると思いますが、すぐ分かるでしょう)、かつ現環境だけに取り組んでいる方には新鮮に映るでしょう。

 欠点としては運営の手間で、その環境のデッキを取り揃えたいなら相当なカードが必要です。例えば選考会代表4デッキほど組むだけでも1から集めるのはなかなかの手間でしょう。参加者に持参してもらうのも手ではありますが、相当流行していないとそれはほとんど無理なのではないかと思います。また、所謂「旋風ミラー」くらいならば大した手間ではありませんが、逆に人気すぎて目新しさは多少落ちる可能性もある、ということで少し評価に幅を持たせました。

「かもめ亭ルール(制限のみ過去のもの、ルールはマスタールール3)」の採用や「デッキレンタルによるトーナメント」を行ってもいいでしょう。前者はルールの明確さは多少落ちますが目新しさは倍増し、後者はプレイに緊張感を持たせることで「競技としての遊戯王」をしている感覚が強まります。競技志向の僕としては真剣さのあるゲームにこそ面白味を感じるので、サブイベントにゲートボールの大会なんてものは垂涎ものです。

c.デッキ賞

明確さ☆☆☆

手間☆☆☆?

目新しさ☆

 最近良いと思っているサブイベントです。分布少数のデッキ、もしくはとても凝っていると思われるデッキに賞を与えるものです。利点としては、(賞品次第ですが、)この賞ゆえに参加してくれる方がいてくれるかもしれない点があります。競技層だけでなく、「競技層寄りのカジュアル層」も取り込めることが非常に興味深いです。層を広く取り込むことはコンテンツの発展にも繋がります。

 欠点としては賞の分、運営の負担が大きいことが一つあるでしょうか。賞の用意を手間とするかは微妙なところなので評価はこうさせていただきました。また、賞目当てに勝利を度外視し珍妙さだけに力を入れる人がいないとも限りません。交流会イベントならともかく、それはCSには相応しくないと思うので(参加費と賞品の兼ね合いにもよりますが)、個人的にはデッキ賞は成績上位、最低でも勝ち越しは成し遂げたプレイヤーにのみあげたいところです。

d.遊戯王カードを使った別のゲーム

明確さ☆

手間☆~☆☆

目新しさ☆☆☆

 デュエルチェス・エクストラサモンあたりが有名でしょうか。ルールを説明すると長くなるので気になる方はTwitterなどで検索することをお勧めします。どうしても明確さは劣りますし、手間も少なくない、特にエクストラサモンだとかなり多くのカードが必要となり大変ですが、目新しさは抜群です。普段の遊戯王ばかりやっている方にはとても新鮮に映るのでは無いでしょうか。個人的には古き良き罠の踏み方・当て方・読み合いが楽しめてデュエルチェスが特に好きです。

 アレンジ案は全く思いつきません。どちらも相当練られたゲームで、僕も似たようなゲームを考えたいと思っているのですが並ぶような案が全く出てきません。

e.ドラフト

明確さ☆☆☆

手間☆

目新しさ☆☆

 聞いたことがある方も多いと思います。知名度は高いので明確さはかなりのものでしょう。実際の対戦のルールが公式のルールに準じているのもその要因になっていると思います。

 反面、運営の手間は相当なものです。プールを考えることから始まり、そのカードの用意、試行錯誤にも時間がかかることからプールの完成度を高めるのは至難の業です。また、目新しさも難しいところで、プール次第では目新しさを感じない可能性もあります。"完成されたプール"でも、数回やると飽きが来てしまうのは辛いところです。

 と、欠点を強調してしまった節がありますが、カードゲームにおいて「デッキを組む楽しさ」はかなり大きいもので、それを短時間で味わえるドラフトゲームはとてもやりがいのあるものだと思います。

f.デュエルリンクス環境体験

明確さ☆☆

手間☆

目新しさ☆☆☆

 このようなイベントをやっているCSは無いと思いますが、思いついたので挙げてみました。ルールはスキルなどの点から多少明確さが落ちるかと思いますが、デュエルリンクスでは普段活躍しないようなカードが活躍することと、そのスキルの存在から目新しさも大きいでしょう。運営が環境("現"環境である必要はありませんが)を把握していないといけないのが難点で、"普段活躍しないカード"を集める手間もあり実行に移すのは少々面倒かと思われます。ですが個人的にはこのゲームの面白さも知ってもらえることや僕がこのゲームを好きなことからいつか実行に移してみたいイベントです。少し前で言うと機械天使(規制前)vsアンデアイズ、最近で言うと魔導vsアマゾネスあたりが特に面白いのではないかなと思っています。

(追記:「バランス」「根性」はこのゲームを語る上で外せませんが、仕様をどうにか再現しないといけないのも難しい点だと思います。)

3.おわりに

 大分絞り出しましたがイベントとして挙げられそうなのはこの辺りでしょうか。雑感程度で終わるつもりが少し長くなってしまった節があります。

 CSの”個性”はサブイベントぐらいしか無いと思っていまして("個性"が必要なものなのかはともかく)、どこか一つのCSでも、この記事を見て"個性"を伸ばしていただけたらこれに勝る幸せはありません。