デリヘルレポ

  1. 第一章 邂逅

  2. ホテルに着く。明らかに旅行で使うようなホテルとは様子が違う。配色は桃色が多く、臭いも心なしか少しいやらしい、そしてなにより人の気配が無い。

    緊張してる自分を他所にテキパキと電話するありじくん。絶対一人じゃ電話できないと思った。電話で童貞と紹介され一瞬赤面するもその通りなのでなにも言えない。

    部屋も簡単に決まり、いよいよエレベーターに乗り込む。

    目的の3階につきおろなみんと別れ、いよいよ自分の部屋に向かう。オートロックなのに気付かず、一旦ドアを閉めてしまったせいで廊下で待ちぼうけを食らう羽目に。異常に心細い。ありじくんに電話をしてもらいドアを開けてもらい、部屋に入る。

    部屋を見渡す。部屋でアダルトな備品を買えるのがちょっと新鮮。

    いやしかし、この部屋でこれからしてもらうのかと考えると、より一層緊張が激しくなる。何をしても落ち着かない。最近ネットで読んでいたエロラノベを読み進めるも全く頭に入ってこない。勃ちもしない。

    突然電話が来た。心臓に悪いから止めてほしい。ありじくんからかな?と思い受話器を取るも相手はデリヘル店員。20分ぐらいで着くとの連絡。20分か・・・。

    グループLINEの情報でアダルト放送が見れると知る。今日一日一度も勃っていないことが少し不安で、いざというとき全く反応無しでは困ると思い放送を点ける。アダルトチャンネルは2種類。一つ目。ババア。勃たない。二つ目。百合。少しだけ勃った。安心。

    十数分アダルトチャンネルを見たりエロラノベを読み直したりすずろに過ごす。目の前のテレビでは女同士が足を舐めあったり忙しそうである。もう少し激しいプレイだったら愚息の隆起も止まらなかっただろうにと思った。

    そして、唐突に、インターホンが、鳴った。待ちわびていたようで、ある意味ずっと待ったままでもいいと思っていたかもしれない。しかし嬢は来た。震え声でフロントに電話をし、ドアのロックが開く。

    玄関に向かい、ドアを開ける。少し太った嬢がそこにいた。

  3. 第二章 邂逅Ⅱ

  4. ドアを開けると、そこには少し太った嬢がいた。

    「はじめまして。」「あっ、はじめまして。」

    いい匂いがする。女性のフェロモンというものなのだろうか、それとも単に香水だろうか。童貞なので分からない。

    部屋へ迎える。

    「こういうの初めてなんで、めっちゃ緊張してます。」風俗・性体験が初めてであることを伝える。

    「本当ですか!」てっきり受付の時点で伝わっているものかと思っていたが、どうやら初耳らしい。

    ソファーに座ると、嬢も隣に腰掛ける。近い。緊張する。いい匂いする。

    「初めてがワタシなんて、逆に緊張しちゃいます・・・。」「いえいえ。」いえいえとは。

    「えみるといいます。」「えみるさん、ですね。」「呼び捨てでお願いします。」ハートの絵文字が見えた。「呼び捨て、か・・。」「うーん、じゃあえみるちゃん、で。」「分かりました。えみるちゃん。」照れるのでその後一度も名前は呼ばなかった。

    年齢を聞かれ、答える。何気ない会話の間、距離の近さからか至近距離で目が合う。お互い照れ笑いしたのだが、恋人同士ってこんなことするのかなと半分思いつつ、どこまでが嬢の"素"なんだろうと疑った。素直にシチュエーションに没入できない自分の性格が恨めしい。

    服を脱ぐように言われる。上を脱ごうとすると、嬢、「手伝いますね。」手を貸してくれる。恥ずかしい。脱いだ服は畳んでくれた。そんなことまでするのか・・・。少し躊躇しつつもパンツ一丁になる。

    「お兄さん華奢ですね。」「いやあですよね・・。」多少コンプレックスである。

    「ワタシも脱ぎますね。」タイツ(なのか?童貞なので分からない)から脱ぎ始め、上を脱ぐ際、「お兄さん後ろのチャック下げてくれますか。」そんなこと要求してくるのか。童貞にはハードルが高い。チャックを下げ、嬢も脱衣を進める。すると嬢、「足太くてごめんなさい。あんまり見ないでください・・・。」「はい。」「最初太い子来たの見たときどう思いました?」「しょうがないと思いました」変な返答をしてしまった。嬢大爆笑。(太いとは思ったが良い子そうだったし、今更体型のことを言ってもどうにかなるものじゃなく、しょうがない)という気持ちを言いたかったのだが、思わずおかしな言葉で出てしまった。「正直で良いと思います。」笑われた。反省。

    「じゃあパンツも脱いじゃいましょうか。」「はい。」脱ぐ。照れくさいのですぐシャワールームへ向かう。嬢が愚息を一瞬見たのが分かった。素の愚息はあんまり見られたくない。

    嬢もまもなくシャワールームに入る。電気が消されてしまった。恥ずかしいらしい。どこまで素なんだろう。

    体を洗ってもらう。思えばこんな経験も、大昔母に洗ってもらった以来だ。実は胸を使って洗ってもらうようなことを想像していたのだが、そんないやらしいことはしないらしい。

    シャワーのホースが愚息に当たる。思わず勃ってしまった。情けない。それはさておき洗浄を進めてくれる嬢。上半身、足、股間周りと進み、いよいよ股間を洗ってもらう。先ほどから勃ったままのソレを手際よく洗う。初めて人に触られたのではないだろうか。くすぐったい。亀頭の裏まで丁寧に触られ、このまま続けられたらそれだけで達してしまうかもしれないと思った。童貞だし。

    シャワーで泡を流され、背中も同じことを繰り返し、先にシャワー室を出てもらうように言われた。出た先でタオルを持つと、嬢が背中を拭いてくれた。

    ベッドに座り嬢を待つ。落ち着かない。ふとシャワー室の方を見ると、ガラス越しにぼんやり嬢の姿が見える。シャワー中の様子が見えるなんていやらしい構造だなと思った。数分後嬢がシャワーを終え、体を拭き、隣に腰かけた。

    「緊張しますね。」と嬢。「緊張しますね・・・。」と返す。心からそう思った。「じゃあ枕に頭置いて、寝転がってください。」「・・・はい。」寝転がる。

    いよいよ始まる。

  5. 第三章 卒業

  6. いよいよ始まる。ベッドの上に横たわると、まもなく嬢が上に跨がってくる。

    「キスしましょう。」答える間もなく唇が近付いてくる、そして初めてのキスをした。柔らかい。しばらくフレンチなキスを続けていると、舌を出すように言われた。いよいよ、いわゆるベロチューなるものを経験するのかと思いいささか緊張する。舌を出すと、すぐ嬢が舌を絡めてくる。

    ・・・期待しすぎたのか、あるいは潔癖症的な何かだったのか、あまり気持ちよくはなかった。どころか、ヌメヌメして気持ち悪いとも言えたかもしれない。

    それを察したのか察せざるか、キスはすぐに終わった。

    代わりに乳房を求めはじめる。勿論、女性の胸を揉むのは初めてであった。柔らかいながら揉みごたえがある不思議な感触で、しかしいつまでも揉み続けられそうだと思った。すこし揉み続けていると嬢が下に下がり(当然、揉みは中断される)、そしてこれは全く予期していなかったのだが、乳首を舐めはじめた。突然の感覚に思わず反応してしまう。

    「くすぐったかったですか?」「いえ、続けてください」続けてほしかった。

    くすぐったいのは事実であったが、気持ちいいのも本当であった。もっと続けられていても達することにはならなかっただろうが、浮かべていた恍惚の表情は止まなかったに違いない。

    そしてついに、「おちんちん、舐めますね。」との一言。待望の一言である。「はい。」と返す。

    嬢が更に下に下がり、股間の位置につく。そして、愚息が口内に包まれた。当然、これも初めての経験である。ベロチューの時は舌の感覚に少し肩を落としたものだが、"尺"の時はなかなかどうして素晴らしいものであるのだろう。

    愛撫を続ける嬢。次第に音も大きくなる。と、ここで嬢のLINEと思わしき着信。

    「気がそれちゃいますし、携帯切りますね。」気が利く嬢である。

    そしてまた陰茎を舐めはじめる、かと思いきや再び乳首を舐める嬢。唐突に乳首を舐められるのはこれで人生二度目である。一生この刺激に慣れることは無いだろうと思った。

    そして再びイチモツを舐めはじめる嬢。下品に音を立てる姿とその吸い上げられる感触に興奮が次第に増していく。いつも擦るだけだったそれが、口内に包まれ吸い上げられ、舌で弄られ。様々な方法で刺激されていることに感動さえ覚えた。

    耳年増である為、他人の経験談はよく目にしていた。この行為はくすぐったいだけで達するのは難しい、そういうものだと思っており、事実最初は少し危惧があったのだが、流石プロと言うべきか、間もなく射精感が沸いた。

    嬢のペースも上がっていく。本当はもっとゆっくり楽しみたいのだが、顎も疲れると聞くし、早く終わらせたいだろう気持ちも分かるので何も言わない。

    そして、絶頂が近付いてくる。知ってか知らずか嬢のペースもますます上がる。黙って出してもいいのだが、「そろそろ、ヤバいです。」と伝える。「最後はフェラと素股どっちがいいですか?」「口で。」即答。

    いよいよ込み上げてくるものを止めることが出来ず、そのまま射精した。

    「!」反応し、刺激を止める嬢。本当は、本当はもう1,2秒刺激を続けてほしかった。

    口を離し、ティッシュに精液を吐き出す嬢。携帯を確認し、「残り25分で、残り15分になったらまたシャワーなので、あと実質10分ですね。」

    「・・・2回目は無理そうかな。」どうしても残念な気持ちが声にこもる。

    まだ残る快感と興奮から、時間さえあれば二度目も行えそうだと思った。

    こうして、初性体験は終わった。