かもめ亭使用HERO紹介

  1. はじめに

  2. かもめ亭という、2011/03制限マスタールール3(=先行ドロー無し)エラッタ適用ルールのチーム戦の大会に出てきました。予選も個人5-1で予選落ちで、運が良くなければ3-3相当の内容でしたし、カード一枚一枚の調整を綿密に行ったという訳でも実はないのですが(特にサイドデッキですね。変なの1枚入ってるあたりから察してください。6-0する気ではありましたが)、構築記事というのを一つ完成させてみたかったので書きました。

  3. 前提知識

  4. かもめ亭ルールに詳しくない人でも読み物として記事が読めるように、かもめ亭環境を簡単に解説します。この大会は2011/03制限マスタールール3エラッタ適用という変則レギュレーションは、過去の2011/03制限マスタールール2とはいくつか違う点があります。

    ・先行ドローがないせいで、六武・デブリジャンド・カラクリなど一部のデッキが使いにくくなっている。例えば先行シエン罠活人剣術でそのまま攻め切るということもしづらくなっている。

    ・後攻有利とも言えるほど、一枚一枚のアドバンテージが大きい。

    ・かつては開拓されていなかったTG代行が使える。

    ・ドローソース、サーチも現代遊戯に比べて少なく(強欲で謙虚な壺ぐらいのものである)、先行ドローも無い為、1枚初動で動け安定するデッキが流行している。例えばガジェット、神秘の代行者 アース、エアーマン。もしくは1枚から循環するTGギミック。

    ・かつては強力なカードであったが、ダスト・シュートは先行でないと使いづらく、かと言って先行を取るのもリスクがあるので入れれば得なカードとは言えない。

    以上のことから、1枚で動け安定性・もしくはキル性能が高いTG代行・HERO・TGガジェ・マシンガジェが評価されている。

  5. デッキ構築

  6. https://www.gachalog.com/list/92753569

    別ページで見ながら記事を読んで頂けると読みやすいかなと思います。

  7. コンセプト

  8. HEROのコンセプトは、下級の高い打点と質の高い罠で相手が準備を整え終える前に8000を削るものだと思っています。1900×4回と少量の超過ダメージで簡単に8000を削ることができます(実際にそう上手く行くことはなかなかありませんが)。そのコンセプトに従って投入カードの枚数を吟味し構築しました。

  9. メインデッキ

  10. モンスター

    E・HERO エアーマン/E・HERO アナザーネオス×3/増援/E-エマージェンシーコール×3

    このデッキの中核を成す8枚です。このカード群を引けないと上手く攻めることができずジリ貧になってしまいます。当然フル投入。ヒーローアライブを入れて構築をより前のめりにするとエマコなどの枚数が減る場合もあるようです。

    ライオウ×3

    このカードもコンセプトにかなりマッチしており、高い打点と「準備を整えるのを遅らせる」役割があります。環境に多いTGやアース、ガジェ、マシンナーズにも強く、フル投入。

    異次元の女戦士

    アクセント枠。実質1択にもなり得る増援が2択になるのは大きな利点で、また苦手なガチガチガンテツ、魂を削る死霊、マシンナーズ・フォートレスなどを見て後からピンポイントで持ってくることができます。罠に次元幽閉を採用してない都合上、出てきたモンスターを後から処理することに手間取ることがあるので、大型を成立させてしまった後もそれを処理するこのカードはとても良い1枚でした。また2セット目以降スノーマンイーターと相打ちを取れるのも魅力です。

    魔導戦士 ブレイカ

    これもアクセントと言ってもいいでしょうか。基本的にこのデッキで一番場に出しておきたいのはアナザー・ネオスで、次にライオウなのですが、このカードを出してしまうとそれらを出すのが遅れます。あまりモンスターがかさばっても困るので複数採用には至りませんでしたが、罠を確実に踏むことができ残った1600打点もビートに使えるなどかなり良い1枚でした。ガジェットには2枚罠を使わせることも期待できかなり強力な1枚です。効果を活かして相手の1900打点と相打ちすることもあります。

    オネスト

    難しい一枚です。次に大会に出るとしたらこのカードが入っているかは分かりません。女戦士の項で話した通り、このデッキは「後から処理」が少し苦手です。それを簡単に可能にしてくれるのがこのカードで、しかも1900ダメージも入るという、リターンがかなり大きいカードです。また、こちらのモンスターの処理にオネストまでケアするのは時折不可能で、例えばハリケーン→TGラッシュ・ライノでライオウを安全に処理しようとしたところにこのカードが強く刺さります。とここまで書くと必須のようにも思えるかもしれませんが、HERO最大のピンチである「HERO引かない問題」の解決にならないことやモンスターを戦闘で処理しないデッキ(ガジェ、ジャンドなど)には浮いてしまうことから必須とも言えません。実際サイドチェンジではよく抜いてしまいましたし、難しい一枚と言えます。

    魔法

    サイクロン×2/ブラック・ホール/死者蘇生/強欲で謙虚な壺×3

    必須。ブラック・ホールは若干コンセプトに反してる部分もありますが冥府の使者ゴーズのケアになったり不利な場を覆せたりすることから採用。死者蘇生も同じような理由で採用。全体除去のケアになりますし、エアーマンを蘇生することでアドバンテージを稼ぐこともできます。

    デュアルスパーク×3

    このデッキを使う理由。当然3枚。しかし同時に「HERO引かない問題」のリスクが付きまとわります。

    ラクル・フュージョン×2

    強力モンスターであるシャイニングを出すことができるのですが、HEROを引かなかった時どうしても浮くのが気になります。しかし「後から処理」が可能なこのカードを抜いてしまっていいものか、ずっと悩んでいました。ここを3枚にするならオネストあたりが抜けると思います。

    また、サイド後は次元幽閉が積まれることが予想されるのでシャイニングの制圧力が下がり、イコールこのカードの価値も下がります。スノーマンを上から倒せるので抜くことはありませんが。

    月の書

    これも悩んだ一枚です。簡単に言えば汎用性の高さからこのカードを採用しました。戦闘破壊さえできてしまえば実質1:1交換までできる、しかし戦闘破壊が難しいというのがこのカードの常なのですが、デュアルスパークのお陰で比較的罠に耐性があるので厄介なモンスターの処理がしやすいのが良いですね。(分かりづらいと思ったので具体例を挙げると、ヒュペリオン+奈落を普通は月の書+モンスターじゃ超えれませんが、アナザー・ネオス+デュアルスパークまであると確実にヒュペリオンの処理ができます。)また後述しますが王宮のお触れに過剰に怯えていた節があって、そのケアになる(致命傷とはなりませんが)と思ったのもあります。

    奈落の落とし穴×2/激流葬/聖なるバリア-ミラーフォース-/神の宣告/神の警告×2

    必須。激流葬はブラック・ホールと同じ理由。聖バリもTG代行に多少弱いかな程度で使えるチャンスが無い訳でも無いので。他も特に抜く理由も思いつかないです。

    ヒーロー・ブラスト×3

    直前まで「HERO引かない問題」との兼ね合わせで2枚でしたが、HEROミラーでの小競り合いや一番嫌いな全体除去、サイド後のスノーマンのケアにもなる、単純に使うだけで+1アドの性能を評価し、数枚引いておきたかったので3枚に。

    強制脱出装置×2

    相手のライフを取り切るというコンセプトとかなり合ってますね。次元幽閉と相互互換だとは思いますがこちらは自分から裏側のモンスターを避けてダメージを取れるといったことがあります。また除去を使われた時に自分のモンスターに使って破壊を避けるということもあります。モンスターの数が少なくリソースが重要なこのデッキにおいてはこの点は重要です。次元幽閉は確かに確実に相手モンスターを処理することができますが受動的なあたりメインデッキには枠が無いかと思いました。

    この通り優秀な罠ではありますが、丸い代わりにカードパワーはそこまで高くないので、サイドチェンジでは抜けることもしばしば。

    王宮の弾圧

    「ライフを取り切る」に対して「制圧する」は若干ズレている気もしますが、「準備を整え終える(=特殊召喚をして展開をしていく)のを防ぐ」点を評価しました。またTG代行にはこれ1枚でゲームエンドさえ見込めるほど刺さりますし、一見刺さらないようなガジェ相手も、基本的な打点ではこちらが勝っていることから相手はエクシーズ・フォートレスの擁立を目指してくるので、これを止めることで大きなアドバンテージ(カード、ライフの点から)が見込めます。ガジェットに血の代償を捲られてもこれ1枚あれば相手はアナザー・ネオス1枚超えることができません。

  11. サイドデッキ

  12. サイドカードの役割は自明なことが多いのでところどころシンプルに。

    砦を守る翼竜

    山の砦を守る竜。天空から急降下して敵を攻撃。

    サイバー・ドラゴン×2

    ミラー、有象無象のビートダウン、カラクリに使えるので採用。EE04ウルトラ派。

    N・グラン・モール

    ジャンクドッペルなどのライトロード・ハンター ライコウを多用するデッキに強いかと思って入れましたが、実戦では引きませんでした。スーパーレアが可愛いと思います。後述しますがガジェ相手が少し不安定だったので砂塵の大竜巻でも良かったかもしれません。

    エフェクト・ヴェーラー×2

    これはあまり見ないサイド枠でしょうか。TG代行には基本的に罠が機能してれば負けないと思っていて、しかしそこに飛んでくるハリケーン+溜め込んでいたモンスターでワンキルが負け筋として多いです。そこでヴィーナスにヴェーラーを打つことで相手の展開を抑えることができます。また王宮のお触れを貫通できるのも評価点。基本的にはカードアドバンテージ-1のカードですが、ヴィーナスに打ってそれを戦闘破壊するだけで取り返せるのであまり気になりません。とはいえ複数引いて全部有効に使えるかというとそうでもないので2枚。

    D・D・クロウ×2

    ミラー、デブリ系列に。特にミラーはヒロブラの打ち合いになり互いに致命傷なので、それのカウンターになるクロウは必須だと思います。ヴェーラーと同じ理由で2枚。

    ハリケーン

    罠ビ相手に打って安全にモンスターを倒せればいいな、として採用しましたが、多分要りませんでした。ここも砂塵の大竜巻で良かったと思います。この時代の制限カードは本当に強いので、このカードをメイン・サイドに入れないのはどうなのかという固定観念がありました。

    超融合

    ミラー専用。デッキを組む上でミラーを強く意識する傾向があると思います。枠があれば(ありますが・・・)もう1枚ぐらい入れても良かったです。

    昇天の黒角笛×2

    TG代行、TGガジェ、デブリジャンドと広く見れるのが評価点。しかし先置きしなきゃいけないことから引いた枚数使えるとも限らず2枚。

    次元幽閉×3

    ミラー、マシンガジェなど。強制脱出装置の欄では少し低評価をしましたが、HEROミラーはコンセプト通り決まることはほぼ無く、1900での殴り合いになるので、リソースの削り合いを有利に運ぶためにフル投入。どこで引いてもある程度使えるのがいいですね。

  13. エクストラデッキ

  14. これこそまだまだ吟味できたのですが、必須枠以外の使用頻度が少ないことからなおざりになってしまいました。

    E・HERO The シャイニング×2/E・HERO Great TORNADO/E・HERO アブソルートZero/E・HERO エスクリダオ/E・HERO ガイア/E・HERO ノヴァマスター

    超融合があることからすべて必須。シャイニングは3枚あってもよかったかもしれませんがミラクル2超融合すべて使い切ってようやく、それもHEROミラーでしか有り得ないのでいらないかなと思いました。

    No.39 希望皇ホープ/ジェムナイト・パール/イビリチュア・メロウガイスト/インヴェルズ・ローチ

    必須。カチコチドラゴンも入れても良かったのですがアナザーやライオウを混ぜて2100×2を優先することが訪れる機会の多さを考えると要らなかったかなと。

    キメラテック・フォートレス・ドラゴン

    説明なし。これは2枚入れても良かったです。

    波動竜騎士 ドラゴエクィテス

    ホロがかっこいい

    氷結界の龍 トリシューラ/A・O・J カタストル

    ヴェーラーがあることから採用。たまに出すし入れてみよう、ぐらいの気持ちだったのですが、トリシューラで決めた試合も大会中あったので(トリシューラが無くても勝てたような試合でしたが・・・)入れておいて良かったかなと。

  15. 各デッキとの戦い方

  16. 対TG代行

    微有利だと思っています。恐れるのはヴィーナスとマスター・ヒュペリオンだけで、罠が機能してればそれら数発を止めることぐらいは難しくないです。ただしハリケーン+ストライカーヴィーナスヒュペリオン・・・とされると勝てません。溜め込まれる前の早めの決着が望まれます。サイドチェンジではヴェーラーと黒角笛が入ります。また僕はこのデッキの王宮のお触れをとても恐れていて、サイド後もブレイカーやサイクロンを抜くことはありません。逆に効力が薄い罠は抜いてしまいます。またサイド後強欲で謙虚な壺でサイクロンが捲れた場合は優先的にピックします。またこのデッキに限定する話ではないですが、ドッペルゲンガーも直撃するとマズいので、伏せ方には気を付ける必要があります(最初の2伏せにサイクロンを混ぜ、自分が攻撃する時には1伏せにまで減らす、そもそも2伏せをしないなど)。ここに相手のサイクロンが絡むと裏目が生じますが、ヴェーラーを持っていると安心です。またスノーマンイーターもこのデッキはかなり苦手です。特にTG代行だと伏せがTGなのかスノーマンなのか分からないので、スノーマンを恐れ攻撃しない、というプレイングも取りづらいです。正直スノーマンに関してはヒロブラや女戦士、固めてエクシーズで乗り切るしかありません。

    対マシンガジェ・TGガジェ(代償あり)

    微不利でしょうか。実はTGガジェと戦ったのは大会が始めてでした(調整不足が伺えます)。まず「準備を整える」というのがガジェットと血の代償2枚引くだけで済んでしまうので、こちらが攻め終える前に代償を捲られて攻めに転じられてしまいます。代償を破壊するか、全体除去を当てられないと負けてしまいます。またナチュル・パルキオンがHEROにはよく刺さり、それを低リスクで出せるTGガジェは特に不利となります。サイドチェンジでは前者はサイバー・ドラゴン、ヴェーラー、次元幽閉、後者はヴェーラーと黒角笛が入ります。

    対マシンガジェ(代償無し)

    かなり有利だと思ってます。要所で罠を当てれば相手は1900打点の波を超えることができません。

    対ヒーロー

    ヒーローミラーではコンセプト通り行くことはなく、基本的に1900での相打ちが繰り返されます。罠はアナザー・ネオスに当てるのではなくシャイニングやミラクルに当てるのがいいでしょう。奈落を不用意に当ててデュアルスパークを打たれたとなれば致命傷です。攻め手を確保しつつ相手の攻め手を封じれるヒロブラはキーカードで、この為の3枚投入とも言えます。サイド後はたまに裏守備を伏せられますが、このデッキの裏守備は読みやすく、そこにデュアルスパークを打つのは悪い手じゃないでしょう。大抵死霊・スノーマン・ドッペルゲンガーが踏まれます。僕は読まれやすいという点でサイドにスノーマンを採用しませんでした。神の警告・王宮の弾圧・月の書あたりが抜け、次元幽閉サイバー・ドラゴンが積まれます。

    デブリジャンド系列

    不利だと思ってます。ライコウで上手く攻められない、カオス・ソーサラーは重い、フォーミュラ経由でアド損せず攻めてくるなどが原因でしょうか。あまり数をこなせていませんが、罠を無視して早めに決着をつけてしまうのが良いかと思います。

    対カラク

    若干不利でしょうか。ライオウが強く刺さりますが、先行で大型を何体も立てられたり要所でトラップ・スタンを決められると厳しいです。ミラクル・ブラホ・激流葬あたりが無ければ厳しいですね。またナチュル・ビーストもこのデッキには厳しいです。

  17. 総評

  18. こう見ると苦手なデッキも多いです・・・。TG代行がトップシェア、続いてHERO、ガジェと思っていて(大体当たっていました)、TG代行とミラーは取る気で、ガジェも大会が始まる前はそこまで不利だと思わなかった故のデッキ選択でした。結果TGガジェに1マッチ落として後は取ることができました。

    サイドデッキはまだまだ練る余地がありますが、メインデッキは自分としては中々の完成度になったかと思います。迷うところとしてはオネストと月の書ですね。

    TGガジェとは2回当たっているのですが、戦い方が分からなかった1回目を落として戦い方が分かった2回目はちゃんと取れているので、次はサイド・戦い方込みでもう少し良い戦いができるかと思います。

    1で書いた通りもっと調整の余地はありましたが、とても面白い大会・レギュレーションでした。春にも同じレギュレーションで大会があるようなので、次回も是非参加したいです(次回はファンデッキになるかもしれないです・・・w)。